素焼き人形としては、鎌倉時代(1200年代)前後の頃より愛用されておりましたが、 慶長の昔(1601年)藩主黒田長政が福岡舞鶴城築城の際に、瓦職人である三代目正木宗七が、 床置・能面・人形などを作りその中から特に優れたものを藩公に献上したのが『博多人形の起こり』であると言われております。しかし、その人形は高級品が主体でした。
四代目宋七の頃(1800年代)に登場した七輪屋中ノ子吉兵衛が、 素焼き人形を庶民向けの人形として作るようになり、これが今日の”博多人形の原型”となりました。
明治23年(1890年)には、全国勧業博覧会に出品されましたが、 その時の褒賞状に『博多素焼人形』の素焼きの文字がなく、『博多人形』と表記してあったため、以来『博多人形』と呼ばれるようになりました。
明治33年(1900年)には、パリ万国博覧会に名匠、小島与一の博多人形が出品され、 世界各国より大好評を博し、博多人形の名声を国際的に広めることとなりました。
昭和51年(1976年)には、『伝統工芸品』に指定されております。
このように、いろいろな後継者に代々伝えられ、伝統技法を守りながら、また改良を加えられながら今に受け継がれております。
『博多人形』は、400余年の歴史を持つ他に類を見ぬ博多独特の芸術味豊かな名産品であり、世界的名声を博しております。
博多人形の真価は、美人物の端麗・童物の純真・能・歌舞伎物の荘重さ・武者物の豪快な力強さ等々で、各方面への絶対の好評をいただき諸外国にも数多く輸出しております。
当、松月堂は本場一流の名匠の作品を常に豊富にとりそろえておりまして、御来福の節にはどうぞ『博多人形会館 松月堂』へ御立ち寄りのほどをお願い申し上げます。
祥勝院
人形供養 毎年、12月第2土曜日
福岡市博多区博多駅前1-7-38